だけどいくら私と翔が同じクラスで、クラスの離れた茉莉より長い時間行動を共にしても、翔が私を好きになる事はない。
翔の一番は茉莉なのだから。
私は茉莉の代わりに茉莉の想いを言葉にするだけ。
それ以下になる事はあってもそれ以上になる事はない。
自分で言っておいて泣けてくる。
折角翔と二人きりなんだからこんな気持ちじゃダメね。
ん?二人きり……?
「翔、茉莉は?」
「んー?茉莉なら恭と一緒にコンビニに行ってるぞ」
恭もとい鷹宮恭介(タカミヤキョウスケ)は翔の親友で普段は彼を含めた4人で過ごしている。
「珍しいわね?あの二人が一緒に行動するなんて」
「なんか新作スイーツが発売されたとかなんとか言ってた」
成る程スイーツね
「あの二人を甘いもの好きだもんね」
「あいつらの共通点そこしかないもんな。」
楽しそうに翔が笑う。
その笑顔をみてやっぱり好きだな、と思う。
イケない事だと分かっていてもこの笑顔を独り占めしたい……彼の瞳に映るのが私だけならと思ってしまう。