翔ちゃんの最寄り駅について、電話しようと携帯を取り出しながら ホームを歩いてると、後ろから急に頭をポンと叩かれた。
「~ふえっ!」
「何いまの間抜けな声!お前ほんま今まで出逢ったことないくらいのあほやな、あほ!(笑)」
何とも間抜けな声を出したあたしを、翔ちゃんはこれでもかってくらい笑い倒した。
最初はちょっとすねたけど、その翔ちゃんの笑顔を見ると 思わず笑ってしまった。
「同じ電車やってんなあ」
「うん、気付かんかったあ」
翔ちゃんとあたしはこないだみたいに、駅前のコンビニでジュースとお菓子を買って 家に行った。
あたしは久しぶりの翔ちゃんちが嬉しくてたまらなかった。
たとえ彼氏じゃなくても、誰か他の女の人のものでも、その時間だけはあたしを見てくれて あたしだけの知ってる翔ちゃんやから‥‥
あたしは全然辛くなんかなかった。
自分がしてることを浮気というなんて知らなかったから。ただ好きな人といるだけで、まさか浮気になるなんて思ってなかったから‥‥