きたいちに着くと、いつものように店長と香奈ちゃんがキッチンで仕込みをしていた。
「おはよーございまーす!自動ドアスムーズですね(笑)」
「前はガタガタやったからなあ(笑)」
あたしは少し話をして、すぐに更衣室へと行った。
「おはよぉ」
中には麗奈だけで、少しホッとした。
「あれ?きのうと服一緒。帰ってないん?」
ヤバ‥
「うん。家の鍵忘れたから、学校行かんと友達んち行ってたあ」
「まぢ?啓太くんち戻ってこればよかったのにー!みんなでゲームしてたよ!白熱白熱!(笑)」
「え!行けば良かったー!」
バレてない‥よかったあ。
マナ嘘つくの苦手やし、焦ったあ。
でも、この時はまだ自分の中では幸せな嘘やった。
ほんまにほんまに浮気なんてこれっぽっちも思ってなかった。