途中で線が違う麗奈とみいくんとは別れて、同じ線の翔ちゃんと2人で帰った。
とりあえず笑わないと‥
「てかこの前、翔ちゃん休みの日に外人さんがお客さんで来てさー!地鶏のメニューのとこ差して、"What is this?"ゆわれたから、マナとっさに"バード!バード!"って必死やってん」
「は?!チキンやろ!(笑)」
「‥うん、あとで気付いた(笑)」
「ほんっまにお前アホやなあ!(笑)」
翔ちゃんはいつものように、あたしの話にゲラゲラ笑った。
あたしはいつもの真似をしてゲラゲラ笑った。
そしたらいきなり、あたしの降りる1つ前の駅で翔ちゃんが言った。
「あ、そういやマナの番号知らんよなー!教えてや!」
「‥うん」
いまさら?とか、彼女おるやん!とか、とっさに言いかけた言葉はいっぱいあったけど‥時間がないっていうこともあって、あたしは素直に教えた。
「じゃあまた明日ね」
「おう。お疲れさん」
あたしの降りる駅の4つ先に住んでいる翔ちゃんは、そのまま電車に揺られていった。