「もうマナら無理やろ、別れよ?」



あたしのどピンクな部屋で、泣きながらそう言うあたし。その真ん前には たった今元彼になるだろう"ヒロ"がいる。

派手な部屋に似つかわしいあたし達。



あたしはまだヒロのことが好きだけど、ヒロは"スカート膝丈、スカートの下は必ず短パンをはく、バイト禁止、門限8時‥"と、言い出したらキリがない程に束縛が激しかった。

最初はこれも愛情表現だと我慢していたけど、付き合って半年が過ぎた頃にはあたしは疲れ果てていた。




そうして、高校2年生になる春休み―


あたしは大好きだったヒロをなんとか説得して、半ば強制的に別れることにした。




暖かくなってきた日差しの中で、なんとなく寂しく1人で歩き始めた 16歳の春だった。