そんな風に色んな翔ちゃんを知っていった5月の終わり頃──
あたしはテストの為に明日から5連休もらうことになっていた。
「明日からマナおらんねんで~翔ちゃん寂しいやろ?」
あたしは笑いながらそう言った。
「寂しないわ!調子のんなや(笑)」
翔ちゃんもケラケラ笑った。
「ぢゃあさ、翔ちゃんがイライラしたとき──」
あたしが『ぢゃあさ、翔ちゃんがイライラした時だれが笑かすん?(笑)』って言いかけた時、タイミング悪くお店の電話が鳴った。あたしは走って取りに行った。
「お電話ありがとうございます。きたいちです。‥はい、今月の30日ですね‥はい‥」
あたしが予約の電話を受けていると、なぜか翔ちゃんが横に来て あたしが予約帳に書き込んでいるのをジッと見ていた。
なんやろ?変なの。
あたしは触れるくらいすぐ横にいる翔ちゃんにドキドキしながら予約を取って、電話を切った。