「あ、ここ上本町やんなあ?」
「お、知ってる?俺んちこの辺やねん」
「そうなんやあ」
元彼‥ヒロの家も上本町やったから、あたしはよく知っていた。
家についてみると、またまたビックリした。
なんと ケントくんのマンションと ヒロのマンションは隣同士だった。
こんな偶然ってあるんかなあ‥
でも、なんか懐かしい。
あの頃のマナは、ヒロをほんまに愛してた。
ほんでマナが愛してた分 ヒロも同じくらい マナを愛してくれてた。
でもその愛情表現が束縛になって、マナは疲れちゃったんよね‥
ヒロ‥元気かなぁ。
でも会いたくない。
こんな汚れたマナ見てほしくない。
「マナちゃん?降りよう?」
ぼんやりしてたあたしはケントくんの声にハッとした。
懐かしいヒロの地元が‥幸せだったあの頃を思い出す この場所が‥
もう2度来たくない場所になるなんてね。