あっという間に22時になり、店に戻ってからのなかなかの忙しさにお疲れ気味で 翔ちゃんとタイムカードをおした。
今日は珍しく翔ちゃんも22時上がりらしい。
「マナ、翔ちゃんありがと!今日は2人共大活躍やったわ!」
「いえいえー!」
今日の呼び込みっぷりを店長と香奈ちゃんに喜んでもらえて あたしと翔ちゃんは顔を見合わせてニッコリ笑った。
最近のマナたちが嘘みたい‥‥
完全に元通りになっていた。
少し素直になるだけで良かったんや‥
ナギのおかげやね?
ありがとう。
「マナ、お前今日まかない急いで食えよ?」
「え?なんで?」
更衣室で着替えていると、カーテンごしに翔ちゃんにそう言われた。
「かき氷!いつもみたいにタラタラ食べて23時過ぎたら、店閉まるやん」
「ほんまや!!」
忙しすぎて かき氷のことめっちゃ忘れてたし!!
あたしは急いで着替えて、カーテンを開けた。
「マナ、ほんま単純(笑)」
そう言って呆れて笑う翔ちゃんを見て、あたしはなぜだかその瞬間 "あ、やっぱりマナはこの人が好きなんやあ" って思った。
仲直りするまでの10日間は、本当に長かった気がする‥‥
また、たくさん笑おう。
だから、翔ちゃんもたくさん笑って?
あたし達は着替えてすぐにまかないを食べて、駅前のかき氷屋さんへ急いだ。