○月×日 雪

なんということだ……!

なんということだ……!!!!

悔やんでも悔やみきれない!

妻が娘を連れて滋賀県から逃れてしまった!

幸い、カオルは途中で取り返せたが、妻と娘はもう手遅れだ。

私が妻を愛しすぎたばかりに……!

リョーコ……!

リョーコ…………!

せめて、娘のリョーコだけでも返してくれ……!!!!



○月×日 天気は分からない


一族に幽閉されて既に十日が経つ。

私への処遇は決定されたのだろうか。


ああ、父なるダゴンよ――!

母なるハイドラよ――!

大いなるクトゥルフよ!

我が息子と娘を助け給え――。



○月×日 天気は分からない


処遇が決定した。

私はこのまま幽閉され、表向きは病死ということになるようだ。

カオルは私の財産を継ぐが、地位は他のものに譲り、権助さんが漁師として育てるそうだ。

仕方あるまい……。

リョーコも眷属の者がなんとかして滋賀へと連れ帰るという。

おそらく妻のレンに接近するのだろう。

レンは助かるまい……。

可哀想だが、これも仕方ない。