「いけません」
「えっ?」
「いけません、もう、そのカオルという人に会ってはいけません」
「ど、どうしたの? お母さん……」
こんな厳しい態度のお母さんは、今まで見たこともなかった。
「ダメだといったらダメなのです!」
「バカ! お母さんのバカ!」
あたしは家を飛び出した。
行くアテもなく、頼るアテもなく。
反射的に、体が家を飛び出していた。
ずっと走っていた。
家の灯が、向こうの方で小さくなるまで。
お母さんは追いかけてこなかった。
お父さんが、止めてくれたのかな?
お父さんのことは好きになれないけど、こういうときは、お母さんを止めてくれる人だって、信じてる。
「えっ?」
「いけません、もう、そのカオルという人に会ってはいけません」
「ど、どうしたの? お母さん……」
こんな厳しい態度のお母さんは、今まで見たこともなかった。
「ダメだといったらダメなのです!」
「バカ! お母さんのバカ!」
あたしは家を飛び出した。
行くアテもなく、頼るアテもなく。
反射的に、体が家を飛び出していた。
ずっと走っていた。
家の灯が、向こうの方で小さくなるまで。
お母さんは追いかけてこなかった。
お父さんが、止めてくれたのかな?
お父さんのことは好きになれないけど、こういうときは、お母さんを止めてくれる人だって、信じてる。