「危ないから、送って行ってやるよ」
カオルがそう言ってくれた。
嬉しかった。
カオルと、少しでも長くいられることが……。
あたしは、ちょっとでもカオルと一緒にいたくて、わざとゆっくり歩いた。
あたしとカオルは、とりとめもない仏教説話などを話しながら歩いていたけど、突然、カオルがあたしに耳打ちした。
「振り返らないでそのまま聞いて。オレたち、尾けられてる……」
「えっ……」
そういわれると、確かに、黒塗りのワゴンが、あたしたちの背後をずっと付け回していた。
「さっきのお相撲さんの仲間?」
「分からない。でも、キミは何があってもオレが守る」
カオル、カッコイイ…………。
そして、暗がりに差し掛かったとき、ワゴンは突然あたしたちを追い抜いた。
ワゴンは通せんぼするように停車して、中から、サングラスにマスクをつけた怪しいオトコたちが、5~6人ほどわらわらと飛び出してきた。
「リョーコ、危ない、下がってろ!」
カオルがそう言ってくれた。
嬉しかった。
カオルと、少しでも長くいられることが……。
あたしは、ちょっとでもカオルと一緒にいたくて、わざとゆっくり歩いた。
あたしとカオルは、とりとめもない仏教説話などを話しながら歩いていたけど、突然、カオルがあたしに耳打ちした。
「振り返らないでそのまま聞いて。オレたち、尾けられてる……」
「えっ……」
そういわれると、確かに、黒塗りのワゴンが、あたしたちの背後をずっと付け回していた。
「さっきのお相撲さんの仲間?」
「分からない。でも、キミは何があってもオレが守る」
カオル、カッコイイ…………。
そして、暗がりに差し掛かったとき、ワゴンは突然あたしたちを追い抜いた。
ワゴンは通せんぼするように停車して、中から、サングラスにマスクをつけた怪しいオトコたちが、5~6人ほどわらわらと飛び出してきた。
「リョーコ、危ない、下がってろ!」