「じゃあね、また明日」

いつものように漁を終えて、あたしは自分の家へと小走りで帰った。

でも、何かおかしい。

背後から誰かが付いてきている。

まさか? ストーカー??


振り向くと、大きな体をしたオトコの人が、あたしの後ろから走ってきてる。

ジョギングしてるだけなのかな?

でも、あたしが走っても、角を曲がっても、オトコはずっと付いて来る。

やだ! こわい、カオル、助けて!


バシーン!


背後から大きな音がして、オトコが倒れたことが分かった。

振り向くと、カオルがいた!

カオル! 助けに来てくれたんだね!


「おい、この醜いブタやろう! 二度とリョーコの前に顔出すンじゃねえ!」


ストーカーのブタやろうは、よく見ると、あの時、あたしがフッたお相撲さんだった。

ファック! ブタはやはりブタなのね!


「このブタやろう」


あたしはブタに唾を吐きかけた。

カオルも唾を吐いた。

ブタはブヒィと醜い声を上げて逃げていった。


ざまあみろ。


「カオル、ありがとう。カオルって強いのね」

「ああ、オレは禅寺で二年ほど修行してたからな」


カオルってホントにカッコイイ……。