先に来てたらどうしようとか思ったけど、何だか大丈夫な気がして。


入学二日目から地元の違う女子を待つなんて、俺だけだろう。


友達と笑い合いながら登校する生徒、1人で音楽を聴きながら登校する生徒、色んな生徒の中から、たった1人を探す。



ふわっと春風が吹いて、横から声をかけられた。


「陽太…?」


声だけで分かった。
そして、自分の胸が音を立てたのも。


「莉々奈!お、おう!」


この胸の鼓動は一体何だ?

まさか!いやいやいや。