足取りは軽いし、適度に涼しい風が心地良い。

鼻歌が出そうなほど気分は最高だった。



ばったり校門の前で莉々奈に会ったりしないだろうか。
待とうかな…。

そんなことを考えながら進む通学路は、少しも嫌じゃない。


まだ慣れない制服も、淡いピンク色に色づく桜の花も、今の俺にとっては脇役でしかない。


どうしてこんなにも惹かれるのだろうーーー。



いや、違う。友達。

友達ーーーーそう、友達になりたいと思った、心から。


一緒に帰って、笑って、そんな日々を過ごしたい。


俺は校門で莉々奈を待つことにした。