ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴り、生徒たちは一斉に帰り始めた。



「陽太ークラス離れちまったな」


幼なじみの真也がわざわざ俺のクラスまで来てくれた。

「そうだな。悪いけど、今日先帰ってて」

「え、なんで?もう友達できたのかよー」


残念がる真也。
でも本当は違う。


じゃあな、と言って反対の方向に足を進める。

ーーまだいるよな…。



恐る恐る6組の教室を覗く。
彼女はまだ残っていた。


嬉しい反面、一気に緊張が俺を締めつける。