「陽太クンて、いいんだけど物足りないんだよね〜イマイチ」

「うわっ言うねー」


放課後、委員会で遅くなった俺が早く終わったから彼女の教室に行ったときだった。


「顔とか運動神経とか全部完璧なのにチューしてくんないんだもん」

「あーそれ嫌だねー」

「オイシイと思ったんだけどなー。前の彼の方がいいや」



聞いてしまった。
これが本心か、と思った。



驚きはしたものの、実を言うとそんなに悲しくはないのが本音。


ちょうどいい、好きじゃないから別れよう、そう決めた。