どうしよう、リョウくんがいるから学校では返せないし……。

そんなことを考えていても、すぐまた別の想いが巡るーー。

「ロウ……」

ロウはずっと辛かった……そしてそれは、まだ終わってはいないーーなんでも人のせいにして被害者ぶってるあたしとは、大違いだ。

ありさちゃんの死を、悲しんでいる余裕もなかったと思う。

そんな中で、あたしにあたたかく接してくれていたロウーーーロウにも、あたたかな光が差し込みますように……。


1週間後ーーー

「夢希、掲示板見にいくぞ」

「…うん」

今日は、期末テストの上位50名の名前が貼り出される日ーーお昼休みにリョウくんに誘われたあたしは、一緒に見に行くことになった。

「あたしの名前があったら奇跡だわ(笑)」

「いや、そろそろいけるんじゃない?」

リョウくんは、笑顔だった。