床にカバンを放って、ベッドに突っ伏す。

「…」

まさか、ロウとリョウを聞き間違えるなんて……。

リョウくんが返事をしたってことは、そういうことだよねーー?

最初にも思ったけど、なんて紛らわしい名前…。



「……」

あたしは少しの間スマホとにらめっこをしてから、操作を始めた。

帰ったらラインするように、リョウくんから言われていたーーー…。

でも、連絡ってそんな風にするものなのかな……なんか、違う気がする。

眠りにつくまでの間、あたしはロウのことばかり考えていた。

それと同じくらい、リョウくんのことも…。

届きはしなかったけど、気持ちを言葉にしてしまうと、どんどん溢れてくるから不思議だ。

あたしが好きなのは、リョウくんじゃなくてロウなんだ。

あたしのことをいつも見守っていてくれる、あのあたたかな笑顔に会いたい。

「あ…」

ゆっくりと首から外したのは、ロウのマフラー……リョウくんと遭遇したことで、返すのを忘れてしまったのだった。