◆リョウside◆
新学期が始まって、もうすぐ1カ月ーー9月もあとわずかで終わろうとしていた。
「リョウくん!コアラ、超かわいいねっ」
「おう」
晴れるとまだ暑さを感じる今日は土曜日で、俺は夢希と動物園にきていた。
受験生ということもあって、休みの日に会っても勉強をして過ごすことが多い俺たちの、初めてのデートだった。
子供の頃から何度も来ている東山動物園は、生まれてからずっと名古屋に住んでいる俺にとっては、何でもない場所だ。
「ね、あとでシャバーニも見ようね!」
「あはは。夢希はしゃぎすぎ」
「……!」
恥ずかしそうに膨れっ面になる夢希は、やっぱりどことなくありさに似ているのかもしれない。
ロウやばあちゃんに言われたせいで、俺まで意識してしまうようになり、その度に"違う"と打ち消していた。
「…」
そういえばありさも、初めて来た時は夢希みたいにはしゃいでたっけ。
それが、最後になったのだけど……。
新学期が始まって、もうすぐ1カ月ーー9月もあとわずかで終わろうとしていた。
「リョウくん!コアラ、超かわいいねっ」
「おう」
晴れるとまだ暑さを感じる今日は土曜日で、俺は夢希と動物園にきていた。
受験生ということもあって、休みの日に会っても勉強をして過ごすことが多い俺たちの、初めてのデートだった。
子供の頃から何度も来ている東山動物園は、生まれてからずっと名古屋に住んでいる俺にとっては、何でもない場所だ。
「ね、あとでシャバーニも見ようね!」
「あはは。夢希はしゃぎすぎ」
「……!」
恥ずかしそうに膨れっ面になる夢希は、やっぱりどことなくありさに似ているのかもしれない。
ロウやばあちゃんに言われたせいで、俺まで意識してしまうようになり、その度に"違う"と打ち消していた。
「…」
そういえばありさも、初めて来た時は夢希みたいにはしゃいでたっけ。
それが、最後になったのだけど……。