「夢希、今残念って思っただろ」

「ば…、ばか言わないでよ!残念なんかじゃないし…!」

「あはは!」

ニヤリと口角を上げてあたしをからかった後、佐久田くんは楽しそうに笑っていた。

「なぁ夢希。オレら、運命共同体だろ?離れても…変わらないから」

「……」

そうかと思えば、今度は朗(ほが)らかな笑顔でこんなことを言うもんだから、不覚にもどきりとしてしまった。

そして、不思議と安心感に包まれる…佐久田くんは、そんな笑顔を持っている。

「じゃぁ…」

「おう」

あたしと佐久田くんは、それぞれの席に移動した。

胸がーーーあつくなった。


「やったぁ、夢希ちゃんだぁ!」

両手を合わせてほんわか笑顔の小野さんは、あたしの前の席に座っていた。

リョウくんを探すと佐久田くんの後ろに座っていて、2人して窓際だなんて羨ましすぎる光景だった。