"良く似合ってるよ"

なぜか思い出す、佐久田くんの言葉と笑顔ーーー。

「……」

「夢希?どうした?」

「え⁈あ、ごめん…何か、ボーっとしちゃって。ありがとう、大事にするね」

ブレスレットをした手首を見つめながら、浮かんできたのは佐久田くんの笑顔で……。

どうして佐久田くんの顔なんかーーー。

「お、夢希らしくない。素直じゃん(笑)」

「…もぉっ!」

「あはは!」


ーー帰りは、家の前まで送ってくれた菊谷くん。

優しくされることにまだ慣れていなくて、もっとドキドキしたり緊張したりするかと思ったけど、そこには意外と冷静な自分がいた。

それはきっと……気になることがあったから。

ありさちゃんーーって、誰?

自分に似ているなんて言われたら、考えたくなくても考えちゃうし。

菊谷くんは、何ではぐらかしたりしたんだろう。

佐久田くんなら、何か知っていたりするのかな…。