「…せりな」 「っ…」 「芹奈が好きだよ」 「私も秋樹がすき…」 泣きながらそう言えば、秋樹は今まで見たことないくらい、優しい顔で笑った。 「…芹奈はシャボン玉みたいだって、思ってた」 私の頬に触れたまま、秋樹が呟く。 私の頬より少し冷たい手が、優しく撫でる。 「シャボン玉?」 「きらきら光って眩しくて、 でも触れたら壊れて消えちゃいそうで」 だから怖くて触れられなかったんだって、少し掠れた声で続けた。