秋樹は私を、少なからず大切に思ってくれている。
私は秋樹にとって、1番仲のいい女友達。
それで十分だって、思ってたのになぁ。
やっぱり、このままさよならするんだって思ったら胸はヒリヒリ痛い。
走って壇上に上がって、秋樹に抱きついてしまいたい。
心の1番奥の、宝箱に二重に鍵を掛けて閉じ込めたはずのその言葉が、今にも溢れてしまいそうだ。
ふわふわしたこの気持ちはふわふわのまま。
形にしちゃいけないって、思っていたのに。
ねえ、秋樹、私はね。
本当は秋樹のことただの友達だなんて、思ったことなかったよ。