ほんとに頭痛が辛すぎるので中庭のベンチに横たわった。
さっき飲んだ薬の睡眠効果で眠気が襲ってくる。



山「…嬢…お嬢。」

気づくと、山田さんが来ていた。

『…あーー、寝てた…?』

ぼーっとしているだけのつもりだったのになぁ。

山「それはもう。可愛らしい寝顔でしたよ。」

山田さんは冗談が上手い。
…と、頭痛は変わらず。

山「お嬢…失礼します。」

そう言うと山田さんは私の額に手をのせる。

山「…熱があるじゃないですか!?体は冷えてるし!起き上がらないでください。僕が運びます。」

バレてたか。
山田さんにはなんでもお見通しなのです。

『…大丈夫…これくらい歩けるし…。それに…重いもん…。』
山「ダメです。お嬢は安静に。それに前よりもまた軽くなってます。まだ言うならキスしますよ?」
『…あ、お願いします…。』

山田さんは私を横抱きにして車へ向かう。
山「…もしかして、もうキスされました?


なんて、そんな奴には僕が…。」
『…されてない。』



その先には、冗談でも笑えないよ。