大好きな人と別れてしまった。

つまらない嫉妬をして、それが私達の間に大きな傷をつくった。　　

あれから８ヶ月、悲しい気持ちは胸の奥にしまって、ただひたすら仕事に邁進する毎日を送ってきた。

時々社内で見かける彼を、見なかったことにして気持ちを抑える日々。

元彼と同じ職場で働くということはなかなか大変で、気持ちを吹っ切ることがとても大変だった。

大変だったと言い切れる程、私の気持ちは整理できていないから、ひたすら仕事に夢中になって彼への未練を忘れることしかできない。

西野蒼汰。彼とは同期で研修の時から気が合い、付き合い始めるまであまり時間はかからなかった。

私の人生で初めての彼氏ではないけれど、今まで好きになったどの人よりも愛しい気持ちが強いことを感じた。

付き合って３年経ってもその気持ちは変わらなくて、このまま彼も同じ気持ちでいてくれたなら、その先には結婚という未来が訪れるのではないかとまで思っていたのに...。

彼は入社当時からとても人気があった。

彼と嬉しそうに話す女性社員も沢山見た。

だから私なんて仲間の一人にしか見てもらえていないと思っていたのに。

ある日食事に誘われた。