やっぱり見ているだけだった_。
今度は誠也のシャーペンの芯を全部バキバキに折っていた。
笑うでもない、止めるでもない。
俺が止めたところで颯人たちはやめないだろう。むしろ俺まで被害を受けるかもしれない。そう思うとどうすることもできなかった。
今は隣で水野がクラス紹介の文を必死に考えている。
「ねえ、」
「はい?」
「ここ変じゃない?」
「いや、そんなことないけど」
「むうぅ」
…悩むなら聞くなよ。
隣の席になって1ヶ月半。そろそろ席替えの時期だ。打ち明ける機会がなくなるかもしれない。そう考えると不安になってくる。
明日は合唱祭本番。言う機会はない。
…まだ機会を見よう。