『佳奈!先生が教科書忘れてるからそれだけ取りに来させてくれって。』


ママが呟くように受話器をもったままいいにきた。


『そんな忘れ物ないから来ないでって言って...』


ママはコクんとうなずいて部屋から出て行った。



ママは私が中学生になる前からうつになっていて、部屋に閉じこもったり、ちょっとした異常行動をたまにしていた。


たまに私をいきなり抱きしめたか、と思ってたら...

数時間後には急にちょっとした事で癇癪をおこして、いきなり私の首を絞めてきたり...



私はこの家が嫌だった。