「絵の世界ってそんなもんだぜ。封建的というか閉鎖的というか」


「じゃ、絵の価値ってなんだよ?」


「絵の価値ねぇ。まあ、画廊やってるうちが言うのも変だけど、小さな絵に数十億の値段がつくこと自体おかしな話だよな」


「この前も外国のオークションでやってたわね。当時、本人が描いた時には一円にもならなかった絵が、今じゃ数十億円だものね」


「笑っちゃうよな」


「僕は別に金儲けしようとは思ってないよ」


「佐久間。お前って、ほんと純粋な奴だな」


「どうせ世間知らずだよ」