「画家はみんな、どこかの協会に所属するのが普通なんだよ。協会が主催する展覧会に絵を出品して徐々に認めれたらそのときはじめて絵に値段がつく」


「そうなんだ」


「まあ、値段がつくまでには7、8年かかるけど」


「7、8年?」

「それだって順調に行っての話だぜ。お前みたいに、協会のお偉方に嫌われたらそれこそ毎回落選。飢え死にだ」


「なんだ。ご機嫌取りかよ」


「所詮、選考委員だって人間だからな。自分の好みで選んだり、有名な画家の弟子だから賞に選ばれたり」


「そんなの、おかしくないか?」