ガラッと勢いよく、ドアが開け放たれた音がした。

聞こえてすぐ、横たえかけた体を起こす。かなりタッチの差だったな、なんてことを思いながら、俺は口を開いた。



「あの、先生なら今は職員室に、」

「辻くんっ?!」

「は──」



耳に届いた聞き覚えのある声に、思わず動きが止まる。

……なんだこれ、俺やっぱり頭おかしくなってるのか?


混乱しながらも俺は、ベッド上から手を伸ばしてカーテンを開けた。

するとやはりそこには、予想した声の人物──……蓮見の姿。

互いの視線が交わる。彼女はどこか困惑した表情で、数メートル先に立っていた。


……なんで、おまえがここにいんだよ。



「つ、じく……」

「来るな」



1歩こちらに向かって踏み出しかけた蓮見を、俺は冷たい一言で制した。

その言葉に、彼女が一瞬、ひどく傷ついた顔をして。

それを理解しながらも、俺はまた、口を開く。