「ねぇ。」


腕を緩めて、至近距離で見つめ合う。



「ん?なんだよ。」


「もう一回言ってくれない?私に好きって。」


さっきは緊張していて、嬉しくて。
だからもう一度。



「ったく、ちゃんと聞けよ?」



「うん。」


ふ〜っと小野寺は息を小さく吐いた。


「好きだよ。カナエ。」


「私も大好き、秀太!」



小野寺って呼び名も悪くないけど。

秀太って呼べる彼女の立場はもっと良い。


「不意打ちかよ。」


そう言って照れたように笑った秀太は

私に近づいて、触れるだけのキスをした。



fin****