隣のクラスの、早川さんだ。


確か、花沢さんと仲良しだったような?


決して目立つ感じではなく、どちらかというと地味でおとなしい。


その早川さんが、なぜか頬を真っ赤にして俯いている。


「中島くん、ここに居るって磯野くんが」


「磯野が?」


「そう、磯野くんが」


それだけ言うと、また俯いてしまった。


なんだろう?


なんだか今にも泣きそうなんだけど?


「あの、それで僕になんか用?」


ちょっとぶっきら棒に聞こえたかもしれないけれど、今は早川さんに構っている場合ではない。


そろそろ磯野が来る頃だ。


さっさと用件を済ませて、一世一代の__。


「中島くん、私と付き合って下さい‼︎」


__告白をしなければならない。


告白を、ん?


んん?


今、なんて?


「えっ、早川さん、えっ?なに?ええっ?な、な?」


「私と付き合って下さい‼︎」


「ぼ、僕⁉︎」


「ほ、他に誰が居るって言うのよ!」


早川さんが急に怒り出した。


さっきまで恥ずかしがってモジモジしてたはずなのに?


これだから女子って苦手なんだ。


女子のすることが分からない。


僕の理解の範疇をこえている。


今だって僕なんかに告白なんて、これはきっと悪い冗談に決まってる。


だ、騙されないからな‼︎


「な、なんで僕なんか__?」


でも、理由くらい訊いたっていいだろう?