あまりのことに、ベッドから飛び起きてしまった。


なんだよ中島、いつもと調子が違うじゃないか?


どうやら喧嘩したらしい。


意外に意固地な中島くん。


それは僕と似ているのか分からないが、一方の磯野も譲らない。


口もきかない、目も合わせないこう着状態が続く。


そしてそれはやがて、周りの空気までも不穏にする。


「どうしちゃったのよ?」


出しゃばり女の花沢さんが、しゃしゃり出てきた。


2人の仲を元に戻そうと、カオリちゃんや早川さんも巻き込んで、逆に騒動を大きくする。


花沢さんのやりそうなことだ。


でもそこは所詮、水戸黄門的アニメ。最後は仲直りの握手をして終わる。


珍しく、大人になった中島くんと磯野も出てきて、変わらない友情を誓い合っていた。


なーんだ。


分かりきってはいたが、平凡なオチに肩透かしを食らう。


でもそれより僕が脱力したのが、大人になった2人。


今と変わらない熱い友情__。


そうだろうか?


中島くんは、本当にそれを望んでいるのだろうか?


在り来たりで、代わり映えしない、友達という枠組みに組み込まれた関係。


そんなもの、ぶち壊してやればいい。


どんどん歳を取ればいい。


変わらないなんておかしい。


変わらないことが美徳だなんて、おかしい。


僕は違う。


アニメなんかじゃない。


この関係性を、打ち破ることだってできる。


なりたい自分になれる。


一回くらい、思いっきり主張したっていいじゃないか?


自分の気持ちに正直に、叫んだっていいじゃないか!


そうだ。


絶対にそうだ‼︎