「…不安にさせてごめん」

俺の言葉に、葉瑠の返答はない。それでも俺は続けた。

「…凛花さんに、結納の話しをされただろ。それに凛花さんのことだ。酷いことを言われたりもしたんだろ?俺はずっと婚約破棄の交渉は続けてる。結納の話はデタラメだ」

「…ウソつかないで」

「…葉瑠、俺は葉瑠しか眼中にない。結婚するなら、葉瑠がいいと言った筈だ。葉瑠が傍にいてくれると言ったように、俺も葉瑠の傍にいたい」

「…」

黙りこむ葉瑠を自分の方に向けると、両手で葉瑠の顔を包み込んだ。

「…葉瑠、俺は君が好きだ」

生まれてはじめて、告白した。

俺は、葉瑠を失いたくないと心底思った。