ブォー…

「はい、出来ましたよ村上様」

「わあ〜素敵!!」

「満足頂けましたか?」

「ええ!大満足よ!!…今度はプライベートでも満足させてね♡」

そう言って俺の耳元で囁く。

「はは、そうですね。」  

(ウッゼー早く帰れよババア…相手にするだけ無駄だな)

「ではこちら…今回カラーとカットとヘッドスパをご希望でしたので、合わせてお会計15000円頂戴致します。」

「カードで」

「はい、頂戴致します」

ピッ

「ではこちらにご署名をお願い致します。」

「村上様、また是非お待ちしております。ありがとうございました。」

そう言って俺は一礼をした。

ガー

「ふー…今ので最後か…。後は誰だっけ?」

「えっと…12時30分に女性一名ご予約入ってます」

「じゃあ、まあ休憩行ってくるか…」

「分かりました」

そして俺は休憩室に入った。

ビー

俺は、買って貯めておいたインスタントラーメンを開けた。

カチカチ

「ふー…疲れた…。」

湯をセットしている間、俺は椅子に座った。

ピー

出来た湯気を俺はインスタントラーメンに注いだ。

ズルズル

ラーメンを食って、俺はスマホを弄った。

しばらくして休憩が終わった。

「さて、頑張りますか…。」

そして俺は、持ち場へ戻った。

「あ、店長!12時30分待ちのお客様早めに来られてたのでカルテ書いてもらいましたよ!チェックお願いします!」

「へいへい…。えっと…小林…優華」

…え?

名前を見た瞬間、俺は動揺した。

「店長大丈夫っすか?」

「あ…ああ…悪い。」

まさか…

嘘だろ?

…優華が?

その時その女がカルテを拾ってくれた。

「ああ!すんません!」

「大丈夫ですよ~!よろしくお願いしますね

【タケルちゃん】」

…間違いない。

こう呼ぶのは優華だけだ。