息苦しさで目が覚めた 。
…わたし、寝ちゃってたんだ…

それにしても、体が熱い…。
息も少し荒いかも…

「ただいま。」
響夜はベッドに腰掛け、横たわる私の頬にそっと触れた。

「ひゃぁっ!」
自分でも驚くほど弱々しい声。
なにこれ…
触られた所がくすぐったくでふわふわする。

「ん?どうしたの?」
響夜はキョトンとした顔で私のおでこに触れようとするが、私はそれを拒むように背を向けた。

しかし、響夜の手は私の背骨をなぞる。

「ふにゃっ!?」
な、なんで、声でちゃうの…!?
響夜は私の鎖骨骨折付近に唇をつけた。
チクッ…
一瞬痛みが走り、すぐに快感が全身を駆け巡る。響夜が顔を離すとそこには赤いキスマークが着いていた。

「1つで十分かな…?」
意地悪そうに響夜はしたをペロリと出した。
「…もっと。」
無意識に出ていた言葉だった。

「ん?聞こえないよ?」

「もっと、キスマーク…付けて…」
響夜はふにゃっと笑うと私の全身にキスマークを付け始めた。
つけられる度に感じるのは全身を電流が駆け巡るような快感。

……きもちいい。
…もっと…つけて。

私はぼやける意識の中彼に笑いかけた。
薬の効き目は順調のようだ。

…君が俺からもう逃げないようにお仕置きも兼ねて俺の印をつけないとね。

…もう、俺から逃げたいなんて思わなくなるようにしないとね…。

俺は知らぬ顔で君の背骨や肩胛骨、脇腹を指でなぞる。

俺の手の動きに合わせて逃げるようにうごく彼女。
…嗚呼愛おしい。



…全部俺に委ねて。
………かわいいかわいい俺の花音。
響夜は容赦なく私にベタベタと触り続ける。
その度に感じるのは快感。
……もっと触って…

不意にそう思ってしまった。

私は彼の手首を掴み、涙目で訴える。

「や、やだ…。」

響夜は嬉しそうに微笑んだ。

「そんな可愛い顔で誘われたら襲うよ。」
私は倦怠感がある中、無我夢中で抵抗する。しかし、神経が過敏になっているのか、少し接触するだけでもふわふわする。

「息苦しいでしょ…俺に委ねて。痛いことはしないから。」

響夜はそう言って、ワンピースを脱がせた。
私は抵抗することなく、響夜の手馴れた手つきに体をゆだねる。

あらわになる私の体。
あの日から花音の態度は一変した。

俺に懐いてきたのだ。
今までは無気力な人形のような儚さがあったが、今ではどこまでも着いてくるアヒルの子のようだ。

今日も俺が帰れば、キミはドアまでかけてくる。
そして、勢いよく俺に抱きつく。

「おかえりなさいっ」
満面の笑みで上目使い。
この2つに滅法弱い俺はどうしようもない。


ただ、たまに、君は寂しそうな顔をする。
本当に君が消えてしまいそうで俺はいつもそんな君にキスをする。

『俺がいる』
『俺が君を愛している』

そう伝えるために。
君には家族もいなければ、頼れる親戚もいない。

…君を必要としているのは俺だけ。
俺なら君を一生愛せる。

…君も今更になってそのことに気づいたのだろう。



人間は自分を嫌っていても、
何処かで自分を1番愛している。
君もそのひとりだ。

…幾ら自己嫌悪しても愛してほしいという矛盾点の中、俺に出会った。

…俺たちは10年前からこうなる運命だったんだよ。
私には君しかいない。

君が私にキスマークをつけている時にそう感じた。
私にここまで尽くしてくれるのは彼だけではないだろうか。
脳裏でそんなことがよぎった。

…あぁ、私はどんなに自分を悲劇のヒロインに仕立てあげたって誰かに愛して欲しかったんだ。


わたしは今日も君に笑顔を向ける。
私が彼を愛せばなんの問題もない…
それだけで私たちは幸せになれるんだ…



『本当に?』

私は頭を振って邪心を振り払う。
これでいい、私は間違ってない。








今日も私は狂った愛を受け入れる。










………to be continued?
完結致しました(*・ω・)*_ _)ペコリ

過去編とかイチャイチャが多い番外編を書こうか迷っていて、この作品の反響によって、それは考えたいと思います。

過去編はおもに響夜とクロ、花音が出会った経緯を遡る感じかなーっと思っております。(しゅうにいというワードも関連します)

番外編は花音と響夜がいい感じになってイチャイチャします。もしも、クロを選んで逃げ切れたらっていうエピソードも書いてみたいなーと思ったり思わなかったり…
…いってしまえば、この作品の続きですね笑


私自身、中間テストさえ終われば暇なので新作を書くか、今まで書いた作品の登場キャラを使って番外編を書くか迷っているところです…。

なんでもいいので意見をくださると嬉しいですm(_ _)m


最後まで読んでいただきありがとうございましたっ!

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