間もなく自宅最寄りの駅に着く頃、先生が尋ねる。

「駅でお兄さんと待ち合わせてるの?」

「うん。

だから駅で降ろしてくれれば良いよ。」

「分かった。

駅のロータリー、長く停められないからお兄さんが直ぐ来れるか聞いてみてよ。」

「うん。」



先生に言われてラインの画面を開くと、1件メッセージが届いていた。



『ごめん舞奈。

今から碧ちゃんに会ってくる。』



(えぇっ!?)



メッセージの時間は30分前。




「先生、お兄ちゃんまだ来れないみたい。」

「そっか、まだ少し早いしな。

じゃ公園のとこに停めて時間潰そうか?」

「うん、ありがとう。」



先生は行きに待ち合わせした公園の入口辺りに車を停めてくれた。

私は兄にその旨と、駅に着く時間が分かったら連絡して欲しいとラインする。