(先生…好き…)



ふたり見つめ合う。

好きな人の瞳に自分が映っている、それだけでこんなに幸福だなんて…



(夢を見てるみたいだな…)

なんてぼんやり考えていた時、先生が口を開いた。



「駄目だよね、こんなとこで。」



先生は笑って肩を竦める。



「俺がちゃんとしなくちゃなのに、南条といるとどうも、ね。

自分に甘くなってしまうな。」



「そんなこと…」



「そんなことあるよ。

多分俺、南条が思ってるより甘えたで独占欲強いから。」



「え…?」



「嫌?」



甘い眼差しで少し首を傾げる先生に、私はまたぶんぶんと頭を振る。



「ふーん、そう?



じゃ、覚悟しててね?」



そう言って今度はにんまり笑う先生はめちゃめちゃ可愛くて。



私は先生が甘えたでも独占欲が強くても、もうその手の中から逃れられないと思った。

いや、逃れたくないと思った。

     *  *  *