「俺はいつでも幼馴染みをやめる覚悟があるけどな。」
「?」
「イケメン先生がお前のこと泣かすような時はいつでも俺は幼馴染みやめてお前のこと迎えに行く気だから。
それも併せて覚えてて。」
「えっ!」
清瀬くんはまた「ククッ!」と笑うと、
「じゃな。」
とひらひら手を振り、私に背を向けて帰って行った。
(清瀬くん…
ありがとう…)
辛いときに傍に居てくれて。
私と先生のために、優しい言葉と共に身を退いてくれて。
幼馴染みになってくれて─
先生は優しい。
そして清瀬くんも優しい。
優しい人たちに囲まれて、救われて、そして私はこうしてなんとか生きているんだ。
私を取り巻く優しい人たちに心から感謝して、私は小さくなった清瀬くんの背中にもう一度呟く。
「清瀬くん、
ありがとう。」
* * *