「で?」

清瀬くんが私を促す。



「あの…昨日はごめんなさい!」

「あぁ。

それから?」

「え…」

「もっと大事な話あんでしょ?」

「あ…」



胸に両手を重ねる。それが小さく震える。



「……

清瀬くん、私…」

「……」

「……」



ちゃんと言わなきゃなのに、言葉が出てこない。



暫しの間の後、とうとう清瀬くんの方が口を開く。



「言うべき時はちゃんと言わなきゃだろ?

それってホントに大切なヤツをも傷付けてんじゃん。」

「!!」

「今日舞奈がそれちゃんと言ってくるの、待ってるヤツいんだろ?」

「清瀬くん…」



私はひとつ深呼吸する。

そして…



「清瀬くん…



私と、別れて下さい。」



清瀬くんの方を見ていられずに俯く。

街灯の灯りに枯れた木々とブランコの影が長く伸びている。



「嫌だ。」



「えっ!」