塾の教室で先週と同じ席に座っていると、廊下から華やかな声が聞こえてきた。
(清瀬くん達だ。)
背筋に緊張が走る。
ドアが開き、清瀬くんが一人で教室に入ってくる。
私は声を掛けようとしたけれど、清瀬くんは私に眼も留めず後ろの方の席に向かって行く。
私が椅子から立ち上がりかけた時、再びドアが開き講師の先生がやってきて、結局話しかけられないまま授業が始まってしまった。
その後、授業が終わって直ぐに私は清瀬くんと話そうとしたけれど、清瀬くんはまた早々に教室を出て行ってしまう。
私は慌ててバッグとコート、ピンクのマフラーを手にして後を追ったけれど、清瀬くんに追い付くことは出来なかった。
『清瀬くんどこにいるの?』
ラインを送るけれど既読は付かない。
昨夜も
『今日は急にいなくなってごめんね。
明日話したいことがあるの。』
と送ったラインに既読こそ付いたけれど返信はなかった。
(清瀬くん、怒ってるよね。)
当たり前だと思う。
清瀬くんを利用して先生に振られた傷を癒そうとして、そして今度は先生と邂逅して勝手にいなくなって。
自分の狡さに自分でも呆れるほどなのだから。
(清瀬くん達だ。)
背筋に緊張が走る。
ドアが開き、清瀬くんが一人で教室に入ってくる。
私は声を掛けようとしたけれど、清瀬くんは私に眼も留めず後ろの方の席に向かって行く。
私が椅子から立ち上がりかけた時、再びドアが開き講師の先生がやってきて、結局話しかけられないまま授業が始まってしまった。
その後、授業が終わって直ぐに私は清瀬くんと話そうとしたけれど、清瀬くんはまた早々に教室を出て行ってしまう。
私は慌ててバッグとコート、ピンクのマフラーを手にして後を追ったけれど、清瀬くんに追い付くことは出来なかった。
『清瀬くんどこにいるの?』
ラインを送るけれど既読は付かない。
昨夜も
『今日は急にいなくなってごめんね。
明日話したいことがあるの。』
と送ったラインに既読こそ付いたけれど返信はなかった。
(清瀬くん、怒ってるよね。)
当たり前だと思う。
清瀬くんを利用して先生に振られた傷を癒そうとして、そして今度は先生と邂逅して勝手にいなくなって。
自分の狡さに自分でも呆れるほどなのだから。