でも、樹は誰とも付き合わない。 今も………昔も…… 俺は知ってる。 いくら樹が強くても、 いや……のんきでも、 親に捨てられ、施設に入れられた時の傷は癒えない。 『人を信じる』 こんな事が、樹や俺らには出来ないのだ。 「そんな只見と、永太は毎日通学してんだもんなぁ~~~。 本当に付き合ってないわけ?」 「グハァッッ……」 俺は口に入れていた玉子焼きを吐き出した。