―――君と会える最後の日



私が彼のところへ訪れたのは真夜中だった。





私は、いつもとは違う服装で

私を見た瞬間、彼は物珍しそうに

それを眺めた。

「似合ってんじゃん、それ。」

「―――ありがとう。」

私がお礼を言うと、ん。と返事した彼。

「あー。これでミサともお別れかぁ。」

とゴロンとベッドに横たわった。

この前と同様、悲しみは一切感じられない。


「君は悲しくないの?」

と聞きたかったけれど

もし聞いたら

あることを認めたことになってしまう。

だから、聞けなかった。


「なぁ、ミサ。あと何分ぐらいいれるの?」

「…あと、15分かな。」

「そっか。残念だな。」

そう言った彼は穏やかな表情を浮かべていて

言葉と表情が全く一致していなかった。


――何なの?


私はそんな彼に苛立ちさえ覚え始めた。


――やっぱり嫌いだ。

――君のことなんて。

――大嫌いだ。