「マヒ…ロ……嫌……嫌だ…。」

息が苦しかった。

喉に込み上げてきたものが

私の呼吸と声を苦しめる。


――苦しいのは君の方なのに。


「………な。」

君が言ったその言葉は聞こえなかった。


「ミサ、それ見せてよ。」

マヒロは私を離すと、唐突に

置かれているカマを指差しながら言った。

「それ、持ってみたい。」

私は戸惑った。

持ってみたいって――――

私は、このカマで何人もの人を――

「ねぇ、ミサ。お願い。」

そう言われたから、仕方なく私は

彼にカマを渡した。

すると

「…俺でも触れるんだな。」

と言ったマヒロ。

「もう、時間がないからだと思う。」

と言うと、そっか。と納得した。

「ねぇ、ミサ。」

「ん?何?」