突然の出来事に戸惑う私。


でも、戸惑っていても


私の口は止まってくれない。



「だから何なの!?なんで抱きしめるの?分かんないよ。マヒロの考えていることも。マヒロが私に望んでいることも全部。それなのに、いつもいつも私を狂わせて。だからマヒロのことが――――」



言う直前、声が震えた。



言えない。



言える筈がなかった。



心のなかでは何度も何度も吐いた負の言葉を



直接彼に言うことなんて、できなかった。