その瞬間…


「りり花に触るな!!」


玲音の鋭い怒鳴り声が響いた。



れ、玲音が怒鳴ってる……



玲音が怒鳴ってるところを、


初めて見た…



唖然として玲音を見上げる。


すると…

怒りに体を震わせた玲音が、鋭い目つきでゆっくりと先輩に近づき、


私を突き飛ばした先輩の胸ぐらを掴んだ。



「お前、りり花になにしたんだよ? 」



「べっ、べつに、自分で転んだんでしょ。
人のせいにしないでくれる? 」



すると、玲音はその手を緩めず

さらに、視線を尖らせた。




「あんた、どうして自分じゃだめなのかって
何度も何度も聞いてきたよな。

部活の前にも後にも、家にまでついてきて」



そんなことがあったの⁈


家にまで!!!



全然知らなかった……



「どうしてあんたじゃだめなのか、
教えてやるよ。

俺は、あんたみたいな女が大嫌いなんだよ」



先輩たちを睨みつけながらそう言った玲音。



玲音がこんなこと言うなんて信じられなかった。


こんな怖い話し方をしている玲音を
見たことがなかった。


動揺している私の前で

玲音はもっと驚くするようなことを口にした。