「別にー。ゴミがあったから捨てただけ」




玲音はゴミだらけの自分の上履きをつまむと
深いため息をついた。



「りり花には関係ないですよね? 」



「私たちにも関係ないけどー」


ヘラヘラと笑いながらそう言った先輩に
我慢ができなくなって、

玲音の背中から飛び出した。



「関係ないわけないですよね⁈

先輩達ですよね、玲音の靴箱にゴミ入れたの!

さっき自分で“バレた”って言ってたじゃないですか! 」




「はあ⁈ ムキになって、馬鹿じゃね?

生意気だっつうの! 」



頭に血が上って油断していた。


真正面から先輩にドンと突き飛ばされてバランスを崩した。



体がぐらりと大きく揺れたかと思うと、


グキっと嫌な音が響き、足首に鈍い痛みが走った。