「なーんだ、バレちゃった。
でも、いい気味♬ 上履き、ドロドロじゃん」


「もう履けないね? ざんねーん♫ 」


腕を組んで満足そうに笑っているのは
3年生の先輩たちだ。


プロ並みの派手なメイクに
股下数センチ(!!)のスカート。



同じ学校の制服とは思えないセクシーな着こなしに、恥ずかしくなって思わず目を逸らした。



でもどうして先輩達が玲音にこんなことを?


そもそも玲音がこんな先輩達と知り合いだとは
とても思えない。


混乱したまま、ニヤニヤと笑っている先輩たちに訊ねた。



「どうして、こんなことするんですか?」



詰め込まれていたごみを片手にそう訊ねると

悪びれもせずにへらへらと先輩たちが答えた。



「えー? 調子に乗ってるから? 」



調子に乗ってるって…


玲音が?



「ちょっと見た目、目立つからって
いい気になってさ。

勘違いすんじゃねぇつーの! 」



「適当にからかっただけだっつーのに、
真面目な顔して"迷惑だー”とか言っちゃってさ」



「自意識過剰〜っ」



先輩たちが何の話をしているのか、全くわからないけれど、


こんな先輩達と玲音が知り合いだとは思えない。


下駄箱に詰め込まれたゴミと、

汚された玲音の上履き、

そして口を歪めてニヤニヤ笑っている先輩たちを見つめているうちに



だんだんと腹が立ってきた。