「それそれ!

りり花がなんにもわかってないから、
大変なんじゃない? 」



「ちはるちゃんには分かるの? 」


「少なくとも、りり花よりは分かってると思う。
あのさ、如月新入生に大人気らしいよ」


「へぇ。なんで? 」


「なんでって…

あの整った甘い顔立ちに栗色の髪、

性格優しいし、背も高いし…

モテ要素そろってんじゃん」



「うぇ…あの玲音がねぇ」



「うちの後輩たちがキャーキャー言ってるよ」


「ふーん。ちはるちゃんよりもてる? 」



それを聞いたちはるちゃんが、
得意げに胸を張った。


「私には負ける」


「さすが! 」


女子力をあげて彼氏を作ると意気込んでバスケ部に入ったちはるちゃんだったけれど、

運動神経バツグンのちはるちゃんは、

すぐに女子バスのレギュラーとなり

活躍するようになった。



この前の大会で気合を入れるためにベリーショートにしてからはファンクラブができた。



彼氏を作るどころか、

ちはるちゃんは今や後輩女子の憧れの的になってしまった。