そう思ってドキドキしながら
りりちゃんに視線を移すと…


「あー…、お腹空いた…」



りり花がつぶやいた。



……だよな。


だって、りり花だし。





「……怖くてもお腹は空くんだね?」




「うん、怖くて泣き叫んだせいかな?

ものすごくお腹すいた。玲音は? 」




「俺も少しお腹空いてきた。

あれ? そういえば、さっきお弁当作ったって言ってた? 」



「うん! あのね、おばさんにね…!」



嬉しそうに母さんの名前を口にした
りりちゃんに、たずねる。



「ん?……母さんがどうしたの?」



「あ、ううん! なんでもないの!
忘れて、忘れて! 」



??


やっと、りりちゃんの顔にいつもの笑顔が戻った。